長唄三味線方:杵屋浅吉:コラム・ブログ
COLUMN
vol.6・・・2014/6/28

「江戸間十畳ライブvol.1」in ステージカフェ下北沢亭 … 2014/6/24.25
そもそも江戸間十畳さんとのつながりは、所属俳優のヨコタシンゴ氏と浅吉が幼馴染みの同級生だということから始まりました。親が仲良しだったり、同じ電車で通学してたり、ちっちゃい同士背の順が近かったり、一緒にブラスバンド部に所属していたりと、何かと縁がありました。大人になってもたまに飲みに行ったりしてたのですが、いつの間にか俳優になっていて、いつの間にか劇団を立ち上げていました。そんな気配は感じてなかったんですが...
まあ一言でいえば、一風変わった経歴の個性的な俳優さんで、愉快な飲み友達です。
そしてこの劇団の代表を務める映画監督・演出家の中井庸友氏は、なんと妻の高校の先輩でした。ついでに言うと僕の母方の祖父母と叔父も同校出身で...なんとも不思議なご縁です。
せっかく縁ある同士が舞台に関わる仕事をしているわけだし、何か一緒に出来ないかという話は常々していました。そして今回、落語を題材にした時代物をやるということで、これならイケるんじゃないかという話になりました。その後は先日ここで書いた通り、楽しく仕事をさせていただきました。
演劇と三味線のコラボ?僕にとっては本来一緒にやるのはなんら違和感の無い事の筈なのですが、時代とともに離れてったものがまた一巡りして出会ったというか...。まあ簡単に言って良い事かはわかりませんが、どちらも遡ればルーツは一緒なんだし上手く行かないわけはないと信じてやってみましたが、間違ってはなかったと思います。
色々と勉強して考えてたことは確かですが、結局現場で芝居を見ていれば自然と弾き方も決まるものだし、きっと動く役者さんの方だって、曲を知らずとも三味線に慣れてなかろうとも、無意識のうちに音に乗っかってくれる。要は空間・時間芸術というものは、同じ空間・時間を共有するから成り立つものであって、あれこれ考えてるよりまずはやってみる!...ということを、頭でっかちな僕は学んだのでした。
伝統芸能やってると、やはり歴史と伝統に偉大な先人たちの教え、学者先生の研究結果やためになる薀蓄...と、どうしても頭でっかちになりやすい。また理屈っぽい僕はそういうの大好きだったりするので、縛られやすい。もちろん頭でっかちも役に立つこともありましたが。
でも、やっぱり現場の楽しさ、一緒に作り上げていく面白さは、芸人の原点です。これからも何事にもぶつかっていく浅吉でありたいと思います。最後になりましたが、こんな僕を信頼して音楽を任せてくださった演出の羽立喬介氏、温かく見守ってくださった総合監修・劇団代表の中井庸友氏、2日目の音楽を務めていただいた稀音家一郎氏、そしてそれぞれが素敵な魅力に溢れる劇団江戸間十畳の皆様、並びに関係者の皆々様に篤く御礼申し上げ奉りまする。お疲れ様でした!
弓彦≒浅吉